34号

2020年02月16日

神栖法律事務所 リーガルニュース

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第34号 2019年10月27日
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■ ニュース紹介とコメント
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1 寝室で増水 目の前で夫「世話になったな」…86歳妻「1人はつらい」
水が迫ってきて死ぬ直前なのにこの境地はすごい。元検察事務官の夫。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191016-00000091-mai-soci

2 救助ヘリから40m落下、女性の告別式
極限的な状態ではあるものの,安全フックの付け忘れはまずい。
https://www.asahi.com/articles/ASMBM4D4LMBMUTIL010.html

3 米国から購入の防衛装備品、349億円分が未納 検査院指摘
未納でも困らない。
https://mainichi.jp/articles/20191018/k00/00m/040/437000c

4 派遣社員、3年勤務なら時給3割上げ 厚労省が指針
「五年で非正規から正規に転換」とした際と同じように,
3年経過時に一度離職させる方法が横行すると思われます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47434240X10C19A7MM8000/

5 透析中止で女性死亡 遺族が福生病院を提訴
透析をやめた際の意思決定の把握の仕方が問題か。
https://www.sankei.com/affairs/news/191017/afr1910170019-n1.html
6 東大、癌細胞を侵食するウイルスを開発、一年生存割合15%の末期癌患者が92%生存
実用化されるとインパクト大

東大、癌細胞を侵食するウイルスを開発、一年生存割合15%の末期癌患者が92%も生存

7 未払い賃金請求期間、まず3年に延長へ 厚労省
3年とする理論的根拠は乏しいものの,前進
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51203670Q9A021C1MM8000/

8 何をしたらパワハラ?厚労省、防止策義務化に向け指針案
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191022-00000012-asahi-soci

9 AI契約書レビュー,即時チェック
NDA契約で使ってみましたが,見落としリスクが減ります。
今後,典型的でない契約にどこまで対応出来るか。
AI契約書レビュー「AI-CON」に新機能、NDAを500円で“即時チェック”できるように

10 即位儀式に抗議 キリスト教団体「政教分離原則に違反」
https://www.asahi.com/articles/ASMBP55H7MBPUTIL02P.html

11 菅原経産相が辞任 秘書の香典問題 後任に梶山氏
わかりにくい政治家とお金の話
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51377840V21C19A0MM0000/

【ワンポイント】
Q 香典って秘書が代わりに渡してはいけないの?との質問(政治家の方)

A いけないです。
政治家の方の寄付行為には色々な禁止事項があります。法令を読むのは大変なので,自治体のQ&Aなどで確認すると良いですが,一例を挙げると以下のようなものです。
・結婚披露宴に出席できないため,秘書に代理で出席して渡してもらう(×)
(政治家が自ら出席して渡す必要があります)
・葬儀に当日出席できず,代理交付も禁じられているため,翌日に渡す(×)
(前日又は翌日に渡すことも禁じられています)
・葬儀に際し,香典ではなく供花や花輪を出すことはできるか(×)
(供花,花輪も寄付にあたり,罰則をもって禁止されます。)

全部覚えなくてもいいですが,「あれこれいいんだっけ」と疑問に思った際に,調べられるくらいの知識があるといいかもしれません。

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池上彰の宗教がわかれば世界が見える(池上彰著,株式会社文藝春秋 )
即位儀式でキリスト教団体が抗議をしているニュースがありました。
日本では政教分離原則の下,政治と宗教は分けていることになっていますが,諸外国では,むしろこの方が例外といえ,宗教が国家運営に関わっているケースが多々見られます。
仏教ほか,キリスト教,イスラム教についても様々な示唆がありましたが,全部書いているとまとまらないので,宗教一般と仏教についてのみ少し言及。
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人の致死率は100%です。

この残酷な現実に対して,救いを求める手段として宗教が役立ちます。
私は,宗教を考えることは,よく死ぬことだと思っています。

宗教は「死のレッスン」と言った人もいます。

つまりどう死ぬかという予習なのです。
よりよく死ぬとは,よりよく生きることでもあります。

例えば,仏道は,まず「生きることは,苦である」といった自覚から始まります。

「苦」とは思い通りにならないという意味です。
「思い」通りにならないからこそ,「思い」の方を整える。「思い」(執着)が強ければ現実との落差が大きくなるので,思いを整え,言葉を整え,生活を整えることにより,執着を小さくし,苦悩のない地平を目指します。
私たちは,若い頃には愛欲にとらわれ,会社組織の中では,出世欲・金銭欲にとらわれ,退職してからは名誉欲に動かされ・・・とひたすら,何かにとらわれ続けます。

どの宗教を信じるか,あるいは信じないかは自由ですが,諸外国に行った際に,「自分は無宗教だ」などというと,相手の宗教を否定しているようにも聞こえますので,気をつけましょう。